#053
知る 2020.09.30
犬や猫は春と秋に毛が生え変わる換毛期といういわば衣替えの様な時期があります。しかし人間は季節によって髪が生え変わるものではありません。
季節に関係なく、通常1日に50〜100本の髪が抜けていきます。
髪には成長サイクルがあり、ある一定期間伸びると寿命を終え抜けていくのです。伸びる期間を成長期、抜ける期間を脱毛期と呼びます。成長期の長さは性別で異なり、女性は4~6年、男性で2~5年です。ストレスや疲労、老化などでこの周期が乱れると、薄毛や細毛の原因になることがわかっています。
この成長サイクルを乱すのが、ホルモンバランスの乱れや体の冷えなど。内的要因、外的要因が重なり頭皮が弱ってしまうのです。
その影響が一番出やすいのが秋。一年で最も抜け毛が多くなり、最も少ないと言われる春と比べると、その差はなんと3倍ともいわれています。
夏の疲れは思った以上に深刻なのです。
1.良質なタンパク質を中心にバランスの良い食生活を
日本でも全国的に35℃を超えるような異常なほどの暑さが当たり前になりました。
湿度も高く、息をするのも苦しいくらいの日々が続くと食欲がなくなり、冷たいものや喉越しの良い麺類などで済ませることが多くなります。
素麺やうどんは炭水化物。大切なタンパク質の摂取量がどうしても少なくなります。
良質なタンパク質をしっかり摂らなければ、髪に影響が出てきます。
大人が普通の生活をする上で必要な量は体重1kgに対し1g。60kgの方は1日60gのタンパク質が必要です。1日60gのタンパク質摂取のためには、約300gのサーロインステーキを毎日食べる必要があります。ちなみにゆで卵は大きなもので8g、納豆1パックでも8gのタンパク質。
ただでさえタンパク質が不足しがちな現代人です。ぜひ積極的に取り入れてタンパク質不足を補い、食欲の秋を楽しんでください。
2.頭皮をマッサージして血行促進
冷房の効いた部屋で一日中過ごしたり、冷たいものを飲んだり食べたり、また夜はお風呂に入らずにシャワーで済ませるなど、体が冷える条件は意外に多いものです。
髪は東洋医学で血余と言われ、髪の成長には十分な血液が必要とされています。
血液が細胞の隅々までしっかりと届かないと一気に毛根が弱ってしまい、抜け毛の原因に。
特に頭頂部は筋肉がないため血流が滞りやすく、体が冷えると血液が隅々まで行き渡らなくなってしまいます。
頭皮をマッサージして、細胞に元気を与えましょう。
指の腹をしっかり頭皮に密着させ、こすらず頭皮を動かすのがポイント。密着度が低いと摩擦が生じてしまうので要注意です。
テレビを見ながら、デスクワークで疲れた時、シャンプー時など気軽に、少しの時間でも良いので、毎日マッサージをするように心がけてください。
3.ゆっくり眠って疲労回復
夏の暑さは、体調を崩す要因になります。
冷房の効いた部屋と外気の気温差が激しくて体温調節が上手くできず、疲れやダルさから抜け出せないなど、自律神経失調症になってしまう方がいます。
また、疲れているのにもかかわらず、寝苦しさから朝まで熟睡できずに睡眠不足にもなりがちです。
自律神経の不調も睡眠不足も髪の成長には悪影響。
副交感神経がしっかりと働き、夜間深い睡眠につくことによって髪は成長し、昼間に受けた頭皮のダメージも回復しやすくなるのです。
睡眠前にぬるめのお風呂にゆっくりと入り、自律神経のバランスを整えてからたっぷりと睡眠をとって、夏の疲れを早めに挽回しましょう。
髪は体の異変がダイレクトに現れます。
抜け毛の量がいつもより増えた!と感じたら、早めの対処を心がけてくださいね。